『The story of……』
「易々と他人のことに首突っ込んでんじゃねぇよっ」
荒々しく吐き捨てられた言葉と共に、わたしを一瞥した名波くんがさっさと踵を返して行ってしまった。
(……名波くん)
思わず漏れた溜め息。
仕方無くわたしは、飲み物の補充をすべく足を進めた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「名波のこと、知りたいの?」
「えっ?」
名波くんとのやりとりを見ていたらしく、チームメイトの一人がわたしに声を掛けてきた。
「生徒会の原田さん。……あの人なら知ってるよ」
「原田さん……」
(本人に聞いても無理なら……周りから攻めるしか無いかな)
「……頼むな。上総」
微笑んだ彼に頷いて、わたしは微笑み返す。
彼に勧められるまま、わたしは生徒会に所属する原田さんを訪ねることにした。
(これで何か知ることが出来るかな……)
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
昼休み。
さっそく原田さんのクラスを訪ねたわたしは、教室から現れた真面目そうな男子生徒に頭を下げた。
「君は?」
初めて顔を合わせるわたしに原田さんは首を傾げた。