『The story of……』
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
廊下の窓越しに、野球部を見つめるいつもの表情。
「聖午……」
「っ!!」
小さく呼び掛けた原田さんの声に、名波くんの顔色が一変した。
苦しそうに眉間にシワを寄せ、視線を床に投げつける。
「聖午。俺は……」
「な、名波くんっ!」
原田さんが口を開いた途端、名波くんは身を翻してわたしに背を向けた。
足早に遠ざかっていく背中を、気付けば必死に追いかけていた。
「待って! 名波くんっ」
ようやく追い付いた名波くんの手を、夢中で掴んだ。
振り向くなりその手は解かれ、彼はわたしを恨めしげに睨み付ける。
「お願いっ! 話だけでも……」
「うるさいっ。何のつもりだよっ!」
キツい口調で言い放たれた名波くんの言葉。
折れてしまいそうになる心に、ぐっと力を込める。
「わたしは名波くんにっ」
「野球部に戻って欲しいって? なんでおまえにそんなこと言われなきゃなんねんだよっ」
強い強い拒絶。
(やっぱり、誤解してるよ……名波くん)
廊下の窓越しに、野球部を見つめるいつもの表情。
「聖午……」
「っ!!」
小さく呼び掛けた原田さんの声に、名波くんの顔色が一変した。
苦しそうに眉間にシワを寄せ、視線を床に投げつける。
「聖午。俺は……」
「な、名波くんっ!」
原田さんが口を開いた途端、名波くんは身を翻してわたしに背を向けた。
足早に遠ざかっていく背中を、気付けば必死に追いかけていた。
「待って! 名波くんっ」
ようやく追い付いた名波くんの手を、夢中で掴んだ。
振り向くなりその手は解かれ、彼はわたしを恨めしげに睨み付ける。
「お願いっ! 話だけでも……」
「うるさいっ。何のつもりだよっ!」
キツい口調で言い放たれた名波くんの言葉。
折れてしまいそうになる心に、ぐっと力を込める。
「わたしは名波くんにっ」
「野球部に戻って欲しいって? なんでおまえにそんなこと言われなきゃなんねんだよっ」
強い強い拒絶。
(やっぱり、誤解してるよ……名波くん)