『The story of……』
~エピローグ~
あれから原田さんと話をした名波くんは、無事野球部に復帰することになった。
チームメイトたちも、誰一人として反対する人は居なかった。
むしろ、
「待ってたぞっ。聖午っ!」
笑顔と強烈なパンチやキックやヘッドロックに歓迎され、照れたような困った笑顔を浮かべていた。
それと時期を同じくして、わたしの臨時マネージャー業は幕を閉じた。
「聖午を、野球部に戻してくれて感謝してる」
こう言ってキャプテンには、何度も何度もお礼を言われた。
(やっぱり、名波くんは野球をするべき人だったんだ……)
わたしのお節介が、少しでも誰かの役に立てたのなら……嬉しい。
キャプテンや何人かのチームメイトに、マネージャーを続けて欲しいって頼まれたけど……それは断った。
正直……名波くんと顔を合わせるのは、何となく気まずい。
野球部に簡単な挨拶をして、わたしは部室を後にする。
(短い間だったけど……充実してたな)