『The story of……』
吸い込まれそうな名波くんの瞳に映るわたしが、小さく揺れている。
「俺が野球に戻ってしまった責任取れ」
「えっ……?」
「最後まで見て欲しい。俺の投げる姿」
あんなに悲しそうだった瞳が、力強い色を灯してわたしを捕らえている。
(名波くん……)
「……うんっ。最後までお節介してあげるっ」
こう言って笑ったわたしの額に、軽い口付け。
もう、逃げないという誓い。
わたしがずっとずっと……傍で見つめ続けるからねっ。
-聖午編END-