『The story of……』
(傲慢な言い方だなぁ……)
きっと、八木くんにお弁当を作ってきた女の子たちは……そんな風に思ってるなんて知らないだろう。
「ひどいね。八木くん」
「はぁ? おまえ、さっきから誰に文句言ってんだ?」
これが生徒会長として、人の上に立っている人間の取るべき態度なんだろうか……。
気に入らないといった目でわたしを睨む八木くんに、
「キミに決まってるでしょ」
負けじとキッパリ言い放つ。
それが気に入らなかったのか、八木くんは苛立たしげに眉を顰めた。
「俺が誰かわかってるのか?」
「八木 透未くん」
「理事長の孫で、生徒会長ってわかってるか?」
ここぞとばかりに権力を振りかざすつもりか。
自分の肩書きを躊躇い無く言ってのける八木くんは、わたしの表情を窺うようにこちらを見つめている。
だからわたしは、思ったままを口にした。
「だから何?」
「……はぁ?」
「だったら何って聞いてるの」
「…………」
わたしの言葉は予想外だったのか、八木くんは目を見開いて驚いている。