『The story of……』
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


生徒会室の扉の先にいたのは、


「……八木くん」


長机の上座に座った八木くんの姿だった。


呼び出された理由がわからず、黙り込んだわたしに、


「俺からの直々の呼び出しだ。もっと喜べよ」


真顔でこの発言。


(相変わらず一方的だな)


「…………」


呆れて言葉も出せない。
八木くんにバレないくらいの小さなため息をこっそりついた。


「おまえ、生徒会に入れ」


「えっ?」



上座から立ち上がった八木くんは、こう言ってわたしの居る方へと歩み寄って来る。


八木くんの言っていることがよくわからない……。


そんな顔をしているわたしに構わず、


「生徒会に入れって言ってんだ。生徒会に入れば学校推薦も優先的に貰える」



目の前までやって来た八木くんの表情が変わった。

勝ち誇ったように小さく笑う顔は……どこかイヤミに映る。



「……いらないよ。そんなもの」


「そんなもの?」



首を振ったわたしがやっぱり不可解だったのか、八木くんの表情が硬く強張った。
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