『The story of……』
なんとも濃い始まりで幕を開けた新学期。
だからと言ってわたしの生活が変わったワケでも無く、相変わらず平凡な毎日が過ぎていくばかり。
今日もいつものように、放課後の廊下を歩いていると、
「…………」
窓の外をぼんやりと男の子が見つめている。
隣のクラスの名波 聖午(ナナミ セイゴ)くん。
多分、彼の視線の先にあるのは野球部だ……。
「っ……」
振り返った名波くんと不意に目が合う。
わたしと目が合った名波くんは何故か気まずげな顔をして、逃げるように廊下から去っていってしまった。
……名波くんは、野球部に何か思い入れでもあるんだろうか……。
そんなことを思いながら、名波くんの見ていた野球部を見下ろした。
そこへ、
「明日はわたしがお弁当作ってきても良いですか?」
「抜け駆けなんてズルいっ! わたしも~」
何人かの女の子たちに囲まれた中心で、特に興味なさそうに彼女たちから目を逸らしてる男の子。
八木 透未(ヤギ トウマ)くん。
頭も良く、顔も良く、家柄も良い。
三拍子揃った彼を女の子たちが放っとくワケがない。
だからと言ってわたしの生活が変わったワケでも無く、相変わらず平凡な毎日が過ぎていくばかり。
今日もいつものように、放課後の廊下を歩いていると、
「…………」
窓の外をぼんやりと男の子が見つめている。
隣のクラスの名波 聖午(ナナミ セイゴ)くん。
多分、彼の視線の先にあるのは野球部だ……。
「っ……」
振り返った名波くんと不意に目が合う。
わたしと目が合った名波くんは何故か気まずげな顔をして、逃げるように廊下から去っていってしまった。
……名波くんは、野球部に何か思い入れでもあるんだろうか……。
そんなことを思いながら、名波くんの見ていた野球部を見下ろした。
そこへ、
「明日はわたしがお弁当作ってきても良いですか?」
「抜け駆けなんてズルいっ! わたしも~」
何人かの女の子たちに囲まれた中心で、特に興味なさそうに彼女たちから目を逸らしてる男の子。
八木 透未(ヤギ トウマ)くん。
頭も良く、顔も良く、家柄も良い。
三拍子揃った彼を女の子たちが放っとくワケがない。