『The story of……』
厳しい委員長と優しい副委員長の飴と鞭コンビに軽く笑みを返し、漸く委員会がスタートする。
今日の議題は二つ。
一つは、学校の備品の貸し出し状況の把握と返却の呼び掛け。
もう一つは、新入生向けの学校生活に関するアンケートの作成だった。
前者は当番制で備品のチェックを行うことで決まったけど、
アンケートの方は、週末に打ち込みと印刷をする予定しか決まっていない。
そのまま委員会は解散になり、委員たちは挨拶を交わしながら部屋を後にしていく。
「顧問に会議録渡してくるよ」
「頼む」
書記から預かった会議録を持って十二谷くんも会議室から出て行き、
気がつけば、部屋には委員長の福士くんとわたししか居なくなっていた。
机の前に座ったままの福士くんは早速、手元の紙に備品チェックの当番を考え始めていた。
もう一枚の紙にはアンケートの文字。
「あの」
「なんだ?」
(……全部一人でやっちゃうつもりかな)
「良かったら手伝うよ? 新入りのわたしじゃ役に立てないかもしれないけど……」