『The story of……』
「まあまあ。瑠戌もそんな怖い顔して怖い言い方しない」
ピリッとした雰囲気を纏った福士くんと対照的に、緩やかな雰囲気を持った男の子がゆっくりと歩み寄って行く。
「今ね、バドミントン部を始めとする部活動の私物が盗難に遭ってるんだ」
優しい口調で話す彼のシャツの裾にも、福士くんと同じ腕章が留められている。
勿論、彼も風紀委員の一人。
副委員長の十二谷 凌亥(トニヤ リョウイ)くん。
見ての通り、福士くんとは対照的な優しい雰囲気を持っている。
「バドミントン部でも無い君たちがラケットを持っていたら疑われてしまう。……だから瑠戌は君たちに注意をしたんだよ?」
柔らかな微笑みに諭されて、あれだけ食い下がっていた彼女たちも、
「……ごめんなさい」
非を認めて頭を下げた。
相変わらず強い口調で、
「元の場所へしまっておくように」
それだけを告げた福士くんは、踵を返して颯爽と校舎に向かって歩いていく。
すれ違い際に目が合った福士くんは、何事も無かったように校舎へと消えていった。
「不器用なヤツでしょっ」
それに続いて歩いていく十二谷くんは、こう言ってわたしに小さく笑っていった。
ピリッとした雰囲気を纏った福士くんと対照的に、緩やかな雰囲気を持った男の子がゆっくりと歩み寄って行く。
「今ね、バドミントン部を始めとする部活動の私物が盗難に遭ってるんだ」
優しい口調で話す彼のシャツの裾にも、福士くんと同じ腕章が留められている。
勿論、彼も風紀委員の一人。
副委員長の十二谷 凌亥(トニヤ リョウイ)くん。
見ての通り、福士くんとは対照的な優しい雰囲気を持っている。
「バドミントン部でも無い君たちがラケットを持っていたら疑われてしまう。……だから瑠戌は君たちに注意をしたんだよ?」
柔らかな微笑みに諭されて、あれだけ食い下がっていた彼女たちも、
「……ごめんなさい」
非を認めて頭を下げた。
相変わらず強い口調で、
「元の場所へしまっておくように」
それだけを告げた福士くんは、踵を返して颯爽と校舎に向かって歩いていく。
すれ違い際に目が合った福士くんは、何事も無かったように校舎へと消えていった。
「不器用なヤツでしょっ」
それに続いて歩いていく十二谷くんは、こう言ってわたしに小さく笑っていった。