『The story of……』
~エピローグ~
中間テストも終わり、今日は三回目の委員会。
「福士くんっ」
「あぁ」
放課後の廊下を歩いていた視界の前に見つけた姿に、思わず駆け寄った。
隣に並んだわたしに、福士くんは小さく笑いかけてくれる。
「中間テスト総合一位だったでしょ? すごいねっ」
福士くんに会ったら一番に言おうと思っていたこと。
先週行われた中間テストの結果で、なんと福士くんが学年トップだったのだ。
手を叩いて喜ぶわたしに、
「……どうだろ。すごいことなのか?」
少し戸惑い気味に福士くんはわたしを見ている。
「すごいよっ。だって学年トップだよ? それに、委員長もやってる品行方正で文武両道な優等生」
憧れの眼差しで熱っぽく語るうちに、風紀会議室に着いたわたしたち。
入り口の手前で立ち止まった福士くんを不思議に思い、そちらを振り返る。
「福士くん?」
「……優等生、か」
「えっ?」
ボソッと呟いた顔は妙に深刻で、思わずその下から顔を覗き込んだ。