『The story of……』
まさかいつも通りに過ごしていたことがあだになるなんて……。
(どうせ半期だけだし)
「わかりました」
もしかしたら、これをキッカケに委員会や部活にも興味が湧くかもしれない。
こんな風に思う自分はやっぱり楽天的なんだろうか?
そんなことを思いながら、わたしは委員会の初顔合わせにのぞんだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「二年一組の上総 愛都です。よろしくお願いします」
放課後の風紀会議室には、各学年から集められた委員数名が集まっていた。
とりあえず簡単な自己紹介を済ませ、席に案内される。
「急な欠員だったから入ってくれて助かるよ。ありがとう」
上座に座っていた男子生徒の一人がこう言って、優しく微笑んでくれる。
副委員長の十二谷 凌亥くん。(とにや りょうい)
そして、
「テスト前のこんな時期に悪いな」
その隣でずっとポーカーフェイスを貼り付け、淡々と告げてくる彼。
委員長の福士 瑠戌くん(ふくし るい)だ。