『The story of……』
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
最初に担任の先生から頼まれたのは、教室に貼る時間割表や座席表を作る仕事だった。
サッカー部に所属する市原くんは、親友の二塚くんと共に唯一の二年生レギュラー。
サッカー部は近々、他校との練習試合を控えてる。
「上総っ」
担任から預かった大きな模造紙を抱えたわたしを、駆け寄ってきた市原くんが呼び止めた。
「市原くん」
「悪いけど……平日は放課後、部活の練習があるから」
気まずそうに眉をひそめた市原くんに、わたしは慌てて口を開いた。
「うん。これくらいならわたし一人でも大丈夫だよ」
「ダメっ」
「……えっ?」
市原くんを安心させようと思って言った一言が、余計に顔を強ばらせた。
(何か気に障ること、言ったのかな……)
「土曜日の午後。練習の後、教室でやろ。一緒に」
笑顔でそう言うなり、市原くんはわたしの腕の中から模造紙を取り上げた。
「でもっ」
きっと練習の後は疲れているはず。
そう思って、首を左右に振った。
「土曜日。いい?」
あくまで土曜日にやる方向で譲らない市原くん。
仕方なく、作業は土曜日の午後にやることになった。
最初に担任の先生から頼まれたのは、教室に貼る時間割表や座席表を作る仕事だった。
サッカー部に所属する市原くんは、親友の二塚くんと共に唯一の二年生レギュラー。
サッカー部は近々、他校との練習試合を控えてる。
「上総っ」
担任から預かった大きな模造紙を抱えたわたしを、駆け寄ってきた市原くんが呼び止めた。
「市原くん」
「悪いけど……平日は放課後、部活の練習があるから」
気まずそうに眉をひそめた市原くんに、わたしは慌てて口を開いた。
「うん。これくらいならわたし一人でも大丈夫だよ」
「ダメっ」
「……えっ?」
市原くんを安心させようと思って言った一言が、余計に顔を強ばらせた。
(何か気に障ること、言ったのかな……)
「土曜日の午後。練習の後、教室でやろ。一緒に」
笑顔でそう言うなり、市原くんはわたしの腕の中から模造紙を取り上げた。
「でもっ」
きっと練習の後は疲れているはず。
そう思って、首を左右に振った。
「土曜日。いい?」
あくまで土曜日にやる方向で譲らない市原くん。
仕方なく、作業は土曜日の午後にやることになった。