『The story of……』
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
あの日からまた、四谷くんは学校に来なくなってしまった。
(四谷くん……また来なくなっちゃったな)
四谷くんに謝りたいと思っているのに、なかなかその機会が得られなくてわたしはずっとヤキモキしていた。
そんなある日、
「やっとの思いで二年になったって言うのに……出足からこれやったら、またダブってまうで」
教室の前の廊下で、三瀬くんと話す背の高いシルエット。
チラッと覗いたそこには思った通り、何日かぶりに見る四谷くんがいた。
「……わかってる。でも、仕方ない」
いつもと変わらず堅い表情。
向かいにいる寅毅くんは、ふぅっと小さく息をつく。
「まぁ、これ以上何も言わん。……でも、困ったら頼りやっ」
「頼りになるような成績かよっ」
「放っとけっ」
(あっ……)
おどけたように笑う寅毅くんと笑い合う、四谷くんの表情が緩んだ。
(こんな顔もするんだ……四谷くん)
あの日からまた、四谷くんは学校に来なくなってしまった。
(四谷くん……また来なくなっちゃったな)
四谷くんに謝りたいと思っているのに、なかなかその機会が得られなくてわたしはずっとヤキモキしていた。
そんなある日、
「やっとの思いで二年になったって言うのに……出足からこれやったら、またダブってまうで」
教室の前の廊下で、三瀬くんと話す背の高いシルエット。
チラッと覗いたそこには思った通り、何日かぶりに見る四谷くんがいた。
「……わかってる。でも、仕方ない」
いつもと変わらず堅い表情。
向かいにいる寅毅くんは、ふぅっと小さく息をつく。
「まぁ、これ以上何も言わん。……でも、困ったら頼りやっ」
「頼りになるような成績かよっ」
「放っとけっ」
(あっ……)
おどけたように笑う寅毅くんと笑い合う、四谷くんの表情が緩んだ。
(こんな顔もするんだ……四谷くん)