『The story of……』
「元々、積極的な性格でも無いから……退院して学校に行っても溶け込めなかったんだろな」



それからの美卯ちゃんは、退院しても家に引きこもり気味になってしまった。


(どうしても周りの目が、気になるんだね……)



学校に行きたがらない美卯ちゃんの気持ちもわかる……。



「やっぱり……男親と兄貴だけじゃ、限界あるんだな。……全然、助けてやれない」



でも、こんなに美卯ちゃんのことを考えて……自分の学校もそっちのけで付き添ってる四谷くんを思うと、美卯ちゃんが学校に行けるようになって欲しい……。



「……わたしに何が出来るかわかんないけど、一緒に考えて悩むくらいなら出来るよ? だから……頼ってよ」


「…………」



じっとわたしを見つめる四谷くんは、



「やっぱり、頼んないかな?」


「……ありがとう」



柔らかい笑顔で、わたしの頭を軽く撫でた。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



美卯ちゃんが少しでも楽しい気持ちで学校に行けるように、四谷くんと考えたこと。



「ほらっ」


「うわぁーっ」



退院を控えた美卯ちゃんの個室を、わたしたちはプレゼント片手に訪ねていた。
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