『The story of……』
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
翌日。
日曜日の朝から、
「すぐに駅まで来いっ」
という、まくし立てるような電話で、わたしは慌てて身支度を整えた。
「おはよう、五木くん」
小走りに向かった駅に居たのは、私服姿の五木くん。
切れた息を整えるわたしに構わず、
「行くぞ」
「えっ、ちょっと」
予め買ってあった切符を差し出し、改札へと向かっていく。
「どこ行くの?」
電車の中でいくら尋ねても、五木くんはだんまり。
(行き先くらい言ってくれてもいいのに……)
そのまま三十分程、電車に揺られてやってきたのは、小じんまりとした神社だった。
「ここの神様、スランプに効くらしい」
「そんなのあるんだっ」
五木くんに促されて、わたしたちは境内に並んで立つ。
「噂でも迷信でも、藁にも縋りたいのはお互い様だろ」
こう言ってはにかんだ五木くんに笑い返し、わたしたちは手を合わせた。
(どうか……わたしと五木くんのスランプが治りますように……)
そのままお守りを一つずつ買って、わたしたちは神社を後にした。
翌日。
日曜日の朝から、
「すぐに駅まで来いっ」
という、まくし立てるような電話で、わたしは慌てて身支度を整えた。
「おはよう、五木くん」
小走りに向かった駅に居たのは、私服姿の五木くん。
切れた息を整えるわたしに構わず、
「行くぞ」
「えっ、ちょっと」
予め買ってあった切符を差し出し、改札へと向かっていく。
「どこ行くの?」
電車の中でいくら尋ねても、五木くんはだんまり。
(行き先くらい言ってくれてもいいのに……)
そのまま三十分程、電車に揺られてやってきたのは、小じんまりとした神社だった。
「ここの神様、スランプに効くらしい」
「そんなのあるんだっ」
五木くんに促されて、わたしたちは境内に並んで立つ。
「噂でも迷信でも、藁にも縋りたいのはお互い様だろ」
こう言ってはにかんだ五木くんに笑い返し、わたしたちは手を合わせた。
(どうか……わたしと五木くんのスランプが治りますように……)
そのままお守りを一つずつ買って、わたしたちは神社を後にした。