5人の王子とお姫様!
「……聖は嫌い?」
「え、」
「私のこと、嫌い?」
驚く聖に矢継ぎ早に問うけども、すぐに勇気が出なくなる。
膝の上で手を握りしめて、俯く。
それ以上、怖くて追求することが出来なくて。
目を合わせられずにいると、頭に何かが乗っかった。
上から下へ。
まるで、触れるのを躊躇うようにぎこちなく、優しく撫でてくる聖の手。
「嫌いじゃないよ。妹みたいな天音ちゃんがすごく可愛いって思ってる」
「……」
「まだそれほど交流は深くはないから、こんなことを言っても信じられないかもしれないけど……
大丈夫。まだまだこれからだよ」
“これから”もある。
温かい手と、優しい微笑。
「さしずめ僕は、天音ちゃんのお兄ちゃんっていう立ち位置かな。それじゃあ不満かな?」
「……ふふ。ううん、不満じゃない」
冗談めいた聖に、ついつい笑みがこぼれる。