5人の王子とお姫様!
ここにあるもの、全部に意味がある。
きちんと理由があるんだって知れただけでも、心はあったかくて。
迷うように俯く。
また見上げれば、そこにある整った顔が穏やかな笑みを刻んでいる。
小首を傾げて、また考える。
「ねえ、聖」
「ん?」
「私、代表やりたくない」
「うん?……ん?」
一瞬頷きかけた聖の、疑問符のついた確認するような問い。
その笑顔が、凍りついた。
「めんどくさいし、疲れるし」
「あ、天音ちゃん?」
「お兄ちゃんなら、ワガママ……聞いててくれる?」
「……あ、はは。そうきたか…」
私の言葉に唖然とした聖は、かろうじて笑って乗り切る。
要は気の持ち直しを図ったんだろう。
流石、ここの寮生をまとめる最年長。
その苦労は伊達じゃない。