5人の王子とお姫様!
気持ち的にも物理的にも、残念ながら。
……本当に残念ながら、この料理は私の胃袋には収まらない。
これらが収まる先は……
「このくらいでいい?」
「……ん。天音、ありがとう」
実に素晴らしい食への想いと、究極の胃袋とを併せ持つ、今日も今日とて眠たげな空の元だ。
空自らが先陣して料理に飛びつけば、目ざとく割り入る大物がいるため、私が代わりに取って来たのだ。
お皿を受け取って、早速フォークをローストビーフに刺した空。
大きく口を開けて、今か今かと食べられるのを待っているそれを運ぼうと……
ひょいっ
「……」
食べられなかった。
お皿とフォークを同時に奪われて、なす術もなく立ち尽くす可哀想な空。
何をするんだと、私は現れた人物に非難の目を向ける。
「それ——」
「ダメです」