5人の王子とお姫様!



空の言葉を聞かず、きっぱりと拒否を示す大物・聖。


所在無さげに体を揺らす空は、今にも倒れてしまいそうだ。



こうなれば、と。


「私のあげる」


言いながら自分の分を空に差し出そうとするけど、またも阻止された。



「天音ちゃんも空を甘やかさない」


「……なんで」


唇を尖らせて睨み上げるも、涼しい顔で受け流される。


「空の食べ過ぎは体に毒だから」



……聖、お母さんみたい。



こんなに物欲しそうな空にあげないなんて。


鬼畜、いけず、冷酷非道。


本人を目の前にして言うことは敵わなくて、心の中でささやかな抗議を並べたてる。




空腹を抑え込むこともなく、欲望に忠実に、決死に手を伸ばして勇ましく立ち向かう健気な空に私の心は大きく打たれる。


空、頑張れ……っ。


はらはらしながら、エールを送ってみる。


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