5人の王子とお姫様!
「げ、幻影か?なんで天音がここにおるんやっ?」
「なんで…って…」
不思議なことを言う。
私が来るのは、そんなに想定外のことなのか。
それとも、もう私と話すことも嫌になったんだろうか。
一抹の不安を覚えて、モヤモヤする。
「話、したかったから…。嫌ならいい。ごめんね。帰る」
「ちょ、ちょちょお待ち!」
「話したく、ないでしょ?顔も見たくないんでしょ…?」
「そないなこと言うてへんけど!?」
「いなくなっちゃえって、思って——」
「頼むから待ち!!思ってへんからとにかく待ちいって!!」
背を向けようとするする私の腕を掴んで、何でかすごく必死な顔をする光邦。
ちょっと、痛い……。
掴まれた腕を離すべきか思案していると、光邦の後ろから琉羽が顔を出した。