5人の王子とお姫様!
困ったように笑う聖に首をかしげる。
私、おかしなこと言った…?
「あ、もしかしてラブレターかな?」
ラブレター……。
珍しく茶目っ気を滲ませる聖の口から、そんな言葉が出るのは意外だった。
ラブレター、ラブレター……?
うーん、と少し考える。
「…多分、違うと思う」
「中身は読んでいないんだね」
「読もうと思ってた、けど……」
「けど?」
「……よく分かんない」
多分内容はいつもと同じ。
だけど何度読んでも理解を示してあげられないのが悩ましい。
しいて言うなら……
「ここにはない、次元を超えたことが書かれてる」
それだ、と結論づけて納得していると聖が苦笑した。
「……ごめんね、ちょっとよく分からないな。
読ませてもらってもいいかな?」
こくり、頷いて聖に手紙を渡す。
封を開けて中身を読むのを黙って眺めていると、聖の表情が強張った。