5人の王子とお姫様!
あっという間に1位で走り切って、遠目からも分かる笑顔を振りまく琉羽。
……に、巻き起こる黄色い声の嵐。
「きゃあああー!琉羽くんステキー!」
「こっち向いてぇ〜!!」
その瞬間、私は理解した。
ああ、そっか。
明らかに周りの反応が違うから、すぐに琉羽だと気付けたんだ。
芸能人と言っても引けを取らないSクラスの彼らで、私はそれを知っていたからその姿を自然と探していたのだ。
中身はともかく、顔だけは良いと私でも理解できる。
世間の女子にしたら最高に応援したくなるんだろうな…。
何気なく隣に目を向ける。
「……え、と……空。あの、大丈夫?」
「ん、大丈夫」
変わらず飄々としてるけど、どことなく不機嫌そう。
うるさいのが嫌なんだろうな…。