5人の王子とお姫様!
琉羽と光邦も普段からうるさいけど、平気そうなのに。
むしろ安眠してる。
どうやら空の中では、一緒にいて大丈夫な人と駄目な人の区分けがされているらしい。
それも、かなりはっきりと。
あんまり顔に出ることがないから傍目からは分かりにくいけど、いつも側にいるSクラスの人ならその変化が分かる。
もちろん、私もだ。
明らかに気分を害している空の頭を撫でて宥めていると、アナウンスが入った。
『1500m走に出場する選手は、入場門に集まってください』
徐々に集まる人を見下ろして、思い出す。
「…空、これに出る?」
と、琉羽が言ってたような。
一応確認してみると、空は思い出したように立ち上がった。
「いってらっしゃい」
「…ん」
無表情でのろのろと教室を出る空を見送りながら思った。
……絶対、面倒だって思ってる。