5人の王子とお姫様!
ちょうど競技が終わって、そろそろ戻ろうかと思案していると。
「無駄で悪かったな」
少し不機嫌そうな声に、後ろを振り向く。
「……声、出してた?」
「思いっきりな」
入口のあたりに寄りかかって腕を組んでる楓斗。
何しに来たんだろう。
……もしかして、楓斗もサボり…?
そんな考えを予想していたように、楓斗はため息をついて応じてくれた。
「昼メシだから呼びに来たんだよ」
「……」
「なんだよ」
「…わざわざ…?」
「…は?お前の教室はここだろ」
私の問いかけに楓斗は不思議そうな顔をしてたけど、実はそんなに不思議じゃないと思う。
だって、こんな人が出払った校舎より、外にいると思う方が自然だ。
それなのに、こんな場所まで探しに来るなんて。
気にかけてくれていたのかと、自惚れてしまう。