5人の王子とお姫様!
物珍しそうな視線をじっと向けると、何かを勘違いしたのか気まずそうな顔で楓斗は顔を逸らす。
「聖に頼まれたからな」
「……そう、なんだ…」
なんだ、やっぱり楓斗の意思じゃないのか。
何だかんだ聖の言うことはまともだから、文句は言いながらも否定はしない楓斗。
仕方なく、だったんだな…。
胸がチクリと痛む。
少しだけ、残念に思ったのはどうしてだろう。
「そ、それに…」
「…?」
「お前またどっかで寝てそうだし。起こす奴がいないと絶対寝過ごすだろ。
お前、空と同じで食い意地だけは張ってるから、機嫌損ねると面倒くさいんだよ」
「…!楓斗…」
思わぬ言葉に面食らう。
口ごもりながらも早口で言った楓斗の頬は、どことなしか赤い。
よく分からないけど、楓斗がデレた。