5人の王子とお姫様!
貴重な姿を凝視しながら、考える。
この人にとって、どっちが建前なんだろう。
今のが楓斗の本心だって、解釈してもいいのかな。
「だから、そんな顔するなよ。
…正直、焦る」
「……そんな、顔?」
どんな顔をしてたんだろう。
思わず自分の顔を触ってみるけど、それで確かめられるはずもなくて。
結果——
「……ふ…っ」
「…楓斗?」
えっ、と……気のせい?
今、楓斗に笑われた気がした。
瞬きのうちに背を向けられたから、はっきりとはしないけど、なんだか心に残る瞬間だった。