5人の王子とお姫様!
「もー…天音って聖みたーい」
「…何が?」
「聖は天音に甘いけど、天音はくーにすっごく甘いんだもん。てゆーか優しい!」
私が、空に…優しい……?
意図して接していたわけじゃないから、なかなかピンとこない。
「そんなこと、ないよ?」
「いやいや絶対あるよー!」
むぅ、と怒ったように頬を膨らませる琉羽に、私はただただ首を捻るばかりだった。
そうして食べ進めていると、伸びてきた不躾な手。
瞬時にお弁当を死守した私に、不満そうにするのは手癖がすこぶる悪い光邦だった。
流石、校内の窓ガラス割り常習犯。
油断も隙もない…。
「あまねぇー、そないケチケチしなや。空にもやっとるし、ええやろ一個くらい」
「空はいい。光邦はダメ、あげない」
「俺と空にどないな差があるん!?」
ショックを受ける光邦に背を向けると、またもや狙いの手が伸びてきた。