5人の王子とお姫様!
意表を突いておかずを再び突っ込む算段をしていると。
「天音が笑ったぁー!え、初めてだよねぇ!?かーわいい〜っ」
……いや、私も普通に笑うし。
別におかしくないことだと思う。
「俺は一回、んぐ……見てるけど」
口をモグモグさせながらぽつり、呟いた楓斗の声は私以外には聞こえていないらしかった。
……私、笑ったかな…。
聖になら何となく覚えがあるけど、楓斗には……と記憶を辿るも、思い当たる節がない。
私が忘れてるだけだろうけど、皆目見当がつかないため断念した。
「んー、そっちの方が可愛いなあ。口説いてええか?」
それは人に聞くことじゃない…。
視界の端では、同じことを思ったのか聖が苦笑を顔に浮かべているのが見えた。
「あははっ、みっつー冗談が全然面白くなーい」
「おい琉羽、お前は目が笑ってねーよ」