5人の王子とお姫様!
気を取り直して、どこからともなく取り出したある物をご飯に満遍なく振りかける。
そう、これがないと始まらない、メインの山椒だ。
うん、美味しい。
ちなみにおかずは、最終的に光邦に隙をついて盗み取られて、あっけなく全滅した。
光邦なんて、嫌い。
嫌いじゃないけど嫌いだもん。
「……」
「……ん、なに」
「いや……」
何故だか異様な空気が辺りに漂っている。
主に私の周りだけ。
妙に寒々しい視線を感じるし…。
……なんで…?
微妙な顔をする彼らの心を代弁すると、『だから何でそのまま食うんだよ』だったけど、当の私は知る由もない。
突き刺さる白い目を切り抜けて、私はなんとかお弁当を食べ切ったのだった。