5人の王子とお姫様!
そうして始まった借り物競走。
50メートルの短い距離をゆるーく走っていた私だけど。
「あーまぁーねぇー!!頑張ってぇー!!」
急かしてくる琉羽の声がちょっと怒ってて、仕方なしに走るスピードを上げる。
机の上に置かれた箱の中から一つを選んで手を突っ込む。
ふと、右隣をちらりと見ると、引いた紙を呆然と見つめてる人がいた。
左隣の人は、髪を握りしめて発狂している。
真っ先にくじを引いて行った人も、唸って膝をついてる。
「……」
どんなお題なんだろう。
これは、嫌な予感しかしない……。
躊躇いと少しの好奇心を抱えて、引いた紙を開いてみる。
中身は簡単極まりない内容しか書かれていなくて、あっけらかんと眺めてしまった。
……え、本当にこれだけ?
裏返してみるけど、ただの白紙。
何か仕掛けがあるかと思ったけど、そんなことはなくて。