5人の王子とお姫様!
これは……いけるっ!
『おおっと!?最初に動いたのは学園の紅一点、柳瀬天音さんだぁー!!一体どんな“もの”を持ってくるのか、これから楽しみですねぇー』
全力で駆け出した私に、何が楽しいのか、ワクワクと興奮気味の実況。
覚悟を決めたような他の選手が一人二人と動き始めると、つられるようにグラウンドが湧いてきた。
「フレームが入ってない眼鏡持ってる人ー!」
「カツラのスペアない?」
「膝上3.5センチのスカートはいてる女の子いるー?」
聞こえてくるのは、ありそうで無い、どれも絶妙にズレたお題の数々。
良かった、私のが一番まともそう。
とりあえず、恥を忍んで大声で探し歩くことにはならないことにほっと息をつく。
とはいえ、普通の学校の2倍はありそうなグラウンドで、目当てのものを見つけるだけでも大変なのは変わらない。