5人の王子とお姫様!
どれだけ記憶を探っても思い当たる節がない。
それもそのはず、彼女たちが怒っている理由は思いもよらないものだった。
「どういうつもりよ!Sクラスの皆様にベッタリと!!」
「……Sクラス?」
一瞬、何を言われてるか分からなかったけど。
すぐに理解した。
彼女たちが話しているのは、寮のみんなのことらしい。
確かに、今日はずっと誰かしらと一緒にいた気がする。
琉羽と空なんて同じクラスだから話す機会も多いし、自然と一緒に行動していた。
だから、間違ってはいないんだけど……
「え、と……それだけ…?」
思わず絶句。
だって、何かすごくどうでもいいことだった…。
「そっ、それだけですって!?」
一気に白けた私をよそに、彼女たちの熱は上がっていく。