5人の王子とお姫様!
飽き出した頃、遠くから競技終了の放送が聞こえてきた。
そろそろ閉会式だ。
遅れたらきっと叔母さんに睨まれる。
「私、もう行くから」
気は済んだか、と言いたいのを堪えて、くるりと向きを変える。
こんなこと言ったら収拾がつかなくなる。
危ない危ない…。
そのままその場を去ろうとする。
だけど彼女たちは、無断で抜けようとする私を許さない。
「ちょっと待ちなさいよ!!」
肩を掴まれて後ろを向かされて、そのまま突き飛ばされた。
……だいたい予想していた通りの展開。
さて、どうやって逃げよう。
立ち上がろうとすると、壁に打ち付けた背中に激痛が走った。
……痛い。
怒っている人は力の加減もできないらしい。
痛みのあまり、表情が無くなってきたのを感じながら、目の前の相手をじっと見上げる。