5人の王子とお姫様!
じーっと見つめる私の視線に気付いた聖は苦笑して言う。
「先生に頼まれたんだ」
さすが、優等生の鏡。
予見して面倒ごとを回避するのは得意なのに、思わぬところで背負わされるのは厚い人望か、柔和な物腰のせいか。
あるいは天性のものなのかもしれない。
生粋の苦労人だ…。
心底聖を哀れだと思った。
「くー、良かったねぇ。景品に釣られて頑張ってたもんね!」
なるほど、それで今日の空はやる気を出していたのか。
熱意の理由を知って、ちらりと視線を向けると、当人は大きな欠伸を一つこぼしていた。
「眠い?」
「ん。少しだけ…」
「でも、これから焼肉だよ」
「っ!……ん、起きてる」
はっとした空。
顔をブンブン振って眠気を振り払う姿はすごく和む。
「髪、乱れてる」
言いながら、ぼさぼさになった空の髪を整えてあげる。