5人の王子とお姫様!
「天音、ありがと」
顔を綻ばせる空と見つめ合うこと数秒。
……なるほど。
確かに私は空に甘いのかもしれない。
「ほらぁ!やっぱり、くーには優しいじゃんかぁー!」
「……うん、みたい。それに……」
別に意識していたわけじゃなかった。
ただ、口をついて出てただけ。
「琉羽とは、違うから」
絶句した琉羽に気付いたのはすぐのこと。
「……天音。ちょっと待ってよ。
ねえ、それどーゆうこと?」
「……え?」
焦ったように問いかけてくる琉羽。
私には何のことだか分からなくて。
「私、何か言ってた…?」
空に気をとられてて何も考えてなかったから、直前の出来事なんて全然覚えてない。
私、琉羽に何か言ったっけ。
「……」
「…琉羽?」
何も言わない琉羽は、ただただ複雑そうに私を見てくるのだった。