5人の王子とお姫様!



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「優勝を祝して、かんぱーい!!」


「肉だ肉!この場の肉は俺が食い尽くしてやるぜ!!」


「言ってる間にその肉いただきぃ!!」


「ちょ、それはズリーだろ!」


「よし、ここは公平にだな……」


「んなこと言ったってもう肉残ってねーぞ」


「なにぃ!?」




そうして始まった祝賀会……という名の打ち上げ。


場所は焼き肉専門店。


ここは食べ放題という夢が詰まった理想の場。



いつもの私なら、真っ先に肉へと手を出していたはずだったけど……




むさ苦しい男ばかりの集団。


むわっと辺りに立ち込める煙。


広いはずの個室も、この大所帯でものすごく狭く感じる。



人口密度が高くて暑くて、おまけに女は私だけ。



愛想も社交性も皆無な私が、これに対応できるほどの技量を持ち合わせているわけもなくて。


私は箸を片手に隅の方で固まっていた。


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