5人の王子とお姫様!
ふと光邦ごしに視界に映ったのは、黙々とサラダを食べている楓斗。
なんとなく目立たないようにしてるのは気のせい……?
というか二人、違うクラスだったと思うけど。
「なんでみっつーとふーがいるの!?」
驚いて声をあげた琉羽を見て、やっぱり、と思った。
今年優勝したのは、1年はA組、3年は聖のいるA組という、頭脳派クラス。
まさかの結果に目を剥いたのは私だけじゃない。
ちなみに2年の優勝はC組。
つまり、どういうことかというと……
B組の楓斗、E組の光邦はトップ争いから弾き出されて優勝を逃したっていうこと。
だから2人がここにいるわけないのに。
「なんで…?」
「ええやん、別に。聖にちぃーと頼み込んだだけや」
側で会話を聞いていた聖を振り返る。
目が合った聖は苦笑して、誤魔化すように顔を逸らした。
これは……
光邦に押されて仕方なかったから。
……というより、面倒ごとを避けたような感じだ。