5人の王子とお姫様!
「な、別に良い奴じゃねーだろ」
「うん」
こくり、頷く私に楓斗は少しため息をついて見せた。
聖、空には本当に容赦ないのにな。
今まさに空のお皿から肉を取り上げて野菜を盛っていく聖を見た。
「つか誤解すんなよ。俺はこいつの被害者だ」
そっぽを向いて言う楓斗。
言葉の棘は明らかに光邦に向かっている。
なるほど、部外者なのを気にしてたのか。
だからずっと控えめだったんだ。
まあ、楓斗はもともと積極的な人じゃないけど。
見れば、相変わらず肉に手をつけないでサラダばかり食べている。
となると、むしろこっちが気になってしまう。
「これ、いる?」
「いや、お前のだろ。自分で食えよ」
「ええっと……じゃあ、取ってくる?」
「行かなくていい。つか、マジであそこに突っ込む勇気あんのか」
言いながら向けられた楓斗の視線を追う。