5人の王子とお姫様!
「あーまねっ」
声が聞こえて、私が振り向く前に隣に座る琉羽。
……ああ、救われた。
そう思ってしまった私はやっぱり卑怯だ。
「あとでね、雨降るんだって。風も冷たいし、こんな所にいたらすぐ冷えちゃうよ?」
自分の顔が歪んでいるのを感じる。
ひどく情けない顔をしているはずなのに、琉羽は何も言ってこない。
「天音が出てくの見えたから、ふーとの会話切り上げて追いかけて来ちゃった」
口調こそいつもと変わらないけど、すごく穏やかな声色で。
耳に馴染まないのに、それが自然な感じがした。
だから、私は無意識に問いかけていた。
「琉羽、疲れる…?」
「えぇー?何が?」
「いつもの喋り方」
口をついて出た問いかけは、琉羽を黙らせてしまった。
また、いけないことを言ったのかもしれない。
けど、話題を変えようかと考える私に、琉羽は何でもないように笑ってみせる。