5人の王子とお姫様!



「天音ってさぁ、実は勘が鋭いよねぇ。それとも野生の鼻が効くのかなぁ?」


「……うん、いい。多分効いてる」



野生とか、獣か何かみたいに冗談を言われても無視しなかったのは、琉羽が心配だったから。


「何それ」って、そう言って少しでも笑ってほしかっただけなんだけど柄じゃないことしたのは分かってる。


だって琉羽、笑ってくれない。



「光邦……うーん、今更変な感じするなぁ。みっつーは知ってるよ、こんな僕。一応幼なじみだもん」


足をぷらぷら動かして、けろりと言う琉羽。


なんだか気を紛らわせてるみたい。



「昔はね、大人の人たちが求めてくるから演じてたんだけど、今は違うよ。
今はこのキャラが板に付いちゃってるし、けっこー自然になってるし、別に苦でもないしね。ま、別にいっかぁ……なぁーんて思ってる」




いつもと違って見える琉羽。


一喜一憂して、案外顔に出る琉羽。


堂々としてさえ見える琉羽。


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