5人の王子とお姫様!
「そうやって思えるようになったのは、寮に入ってからだから。
だからね、今の僕があるのはみーんなのお陰!」
そんな琉羽を見て、何かが心の中に渦巻いた。
全然嫌じゃなくて、むしろ居心地がいい。
なんだろう、この感じ。
分からないけど、言えることは一つだけ。
「嫌いじゃない、よ?」
こぼれ落ちた言葉が、もともと大きな琉羽の目を見開かせる。
「琉羽のことも、みんなのことも嫌いじゃない」
“一緒にいたい人”
借り物競争のお題で、どうして5人を選んだのか。
分かってたはずだったけど、今やっと……納得した気がする。
「それ、ほんと?」
「うん」
ようやく実感が湧いてきた。
素直に頷くと、驚いていた琉羽が嬉しそうにする。
……やっと、笑ってくれた。
それが嬉しくて、でも照れくさくて下を向いてしまう。