5人の王子とお姫様!
「あ、じゃあさ…」
よっ、と立ち上がって店内に入ろうとする気配。
ふいに小さく聞こえた声に顔を上げる。
「僕これでも本気だから、これから覚悟しててよ。
色々仲良くしよーね。ね、天音?」
そこには、怪しく笑う琉羽がいて。
一瞬、身震いがした。
何を……なんて、私に聞く暇も与えないままさっさと中に戻った琉羽。
きっと、今のが本当の琉羽で。
……私は、何かとんでもない怪物をその気にさせてしまったのかもしれない。
後悔先に立たずとはこういう事だと、私は初めて実感したのだった。