5人の王子とお姫様!
とにかく、何が言いたいのかというと……
「暑苦しい」
その一言に尽きる。
「ね、だよねぇー…」
「……ん」
同意して更に距離を縮める琉羽と、こくりと首を縦に振る空。
私とこの二人とで、明らかな認識の違いがあることに一刻も早く気づいてほしい。
「や、ジブンらが暑苦しいわぁ」
向かいの椅子で伸びている光邦の言葉に、私は激しく同意する。
ほんとに、まったくだ。
そう思うけど、もはやそんな言葉さえ返す気力もない。
「ったく、見てるこっちが暑苦しいっての」
ホールに入ってきた楓斗は、汗を拭うように前髪をかき上げると、またすぐに出て行った。
……分かってるなら、助けて欲しかったな。
力なくソファーの背もたれに沈み込むと、更に2人の重みがのし掛かってきた。