5人の王子とお姫様!
「なに?」
『もーおっ、なーに?素っ気無いわねぇ。久しぶりのお母さんよ?あなた全然連絡よこさないんだもの、こっちからかけちゃった』
「連絡するほどの用件、ないけど」
『もうっ!用がなくても連絡くらいしてきなさいよ!!』
……お説教?
いや、逆ギレ……?
怒られる意味がよく分からなくて、見えない相手にまた首を傾ける。
『だいたいねぇ――』
「どうでもいいけど、用が無いなら切るから」
早くも延々と続きそうな雰囲気を感じで、話を遮る。
付き合ってたら、この暑さに溶かされながら夕方になってしまいそうだ。
『あるわよ用件!もお、せっかちね。本当にお父さんそっくりなんだからっ』
イラッ、として本気で電話を切りたくなった。
無愛想で全然喋らなくて、何考えてるのか分からないし、お父さんはとにかく変な人。
……どこが似てるのか、全然分からない。