5人の王子とお姫様!
琉羽に敵視されたことを、会ってから数時間もの間気にするくらい昴は繊細だ。
それをよく分かっている私は、昴をフォローする。
「琉羽、今日はおかしいみたい。いつもはもっといい子…だよ?」
……多分、と心の中で付け加える。
でも少なくとも悪い人じゃない。
あっけらかんとする私に、昴はそれはそれは長いため息を返してくれた。
「姉さんは無自覚で人の気を引くのが上手いんだよ」
「…?何のこと?」
「……なんでもない」
意味が分からなくて聞き返すけど、昴はぷいっと顔を背けてしまった。
どうやら、私が理解できない琉羽の態度の理由が昴には分かっているらしい。
聞かないほうがいいのかな…。
聞いてもまた逸らされる気がする。
そう判断して視線を外すと、「でも…」と昴は言葉を続けた。