5人の王子とお姫様!
普段の自分では想像できない表情を浮かべているのかもしれない。
でも、だって……嬉しい。
こんな素直な言葉を、それもデレた昴から聞けるなんて…。
どうしよう。え、どうしたら?
嬉しい、どうしよう、幸せ。
キョロキョロ、あわあわ、落ち着かない。
そんな挙動不審な私を止めたのは……
「天音。一緒に泳がへんか?」
背後から回された腕と、すっかり馴染み深い関西弁。
あと、首元をくすぐる奇抜な金髪。
「……」
興奮で上がった熱がこの瞬間、一気に冷めた。
思わずというか、不可抗力というか、これはもう致し方ないというか。
私は思ってしまった。
光邦、今すごく邪魔。
「暑い…」
ため息を吐きながら言って、光邦を押しのけようともがく。
気持ち悪いって言葉は……飲み込んだ。