5人の王子とお姫様!
「……できれば手を加えてないのがいい」
グチャグチャに盛られた、食べかけの焼きそばを押し戻す。
見た目最悪で、はっきり言ってお腹壊しそう。
「そう?」
不思議そうに首を傾げた姉さんは、後ろに置いてある袋から食べ物を漁り始めた。
……助かった。
食べなくて済んだことに心の底からほっとして、女性の密集率が高いあの場所に視線を向ける。
さっき喜んで飛んでいった夏目さん。
あの人が加わって、更にややこしいことになっているらしい。
理由は単純。
取り巻きに留まらず、道行く女性にも片っ端から声をかけているからだ。
あの人が良い顔をしまくっているせいで、収拾がつかなくなっている。
この炎天下に晒されてよくやるな…。
あの人を除く他の人たちには同情するけど、俺には関係ない。