5人の王子とお姫様!
姉さんの寮の人たちは変な人が多いみたいだし、ちょっとした事で余計な混乱を招きかねない。
ここは無難に……放置しよう。
そう、見て見ぬふりを決め込んだ時。
「ちょっと、あんた達どきなさいよ!ブスのくせにでしゃばんないでよね!」
「身の程知らずなんだよ。どっか行けよ!」
取り巻きの中から乱暴な声が聞こえてきた。
ああいう人たちもいるのか…。
なんか怖いな。
そう思いながら、何気なく目を向ける。
「……っ!!」
その瞬間、言葉にならない声が漏れた。
身体が凍りついて、冷水を浴びせられたような気分だ。
……寒い。
寒くて寒くてたまらない。
体が震えてきた。
なんだこれ。
もしかして——俺、怯えてる…?
ああ、そっか。
身の毛がよだつ、ってこういうことを言うのか。
ぼんやり、遠く思った。