5人の王子とお姫様!
「昴、たい焼き食べる?」
まだ何も知らないでいる声。
ああ、そうだ。
絶対に会わせたらいけない人がいた。
姉さんがあれを見たら、どうなるんだろう。
やっぱり怖がる?
ひたすら震えて、青ざめるかな。
卒倒するかもしれない。
あいつらと鉢合わせして、どうなるかなんて分からない。
…そうだ、逃げないと。
あいつらの目の届かないところまで。
姉さんが安心できるところまで。
俺が精一杯、手を引けるところまで。
今度は守らないと。
だって、それがあの頃できなかったことで、今の俺が唯一できることだから。
【昴side end】