5人の王子とお姫様!
多分……嫌いじゃないやつ
これなら食べるかな。
そう思って振り向こうとしたら、ぐいっと手を引かれた。
「姉さん、あっち行こう」
「……昴?」
おかしいと思った。
表情こそいつもと変わらないけど、掴まれた手がぎゅっと握られて痛いくらいに力が込められている。
「どうしたの?」
「別に。かき氷食べたくなったから」
なんか、変。
何か、焦ってる…?
「ほら早く」
困惑しながらも、急かしてくる弟の言葉を断る理由はなくて。
半ば強引に連れられるまま陽の下に足を踏み出した。
その時。
「いい加減にしろ!もう我慢なんねーよ!!」
楓斗の怒鳴る声がした。
今日はかなり我慢してたから、そろそろだとは思ったけど……
ついにキレたらしい。
自然とそっちに視線が向く。